地域の高齢者福祉と高齢者の住まいとして1982年から親しまれてきた特別養護老人ホームの現地建て替え計画である。
扇形の敷地形状に沿うように個室が並ぶ4階建ての居住棟と、通所施設・事務所・厨房機能を備えた平屋建ての共用棟からなる。 敷地の手前側から段階的にプライベート性の高い空間となるように庭と建物を交互に配置し、地域に根付いた暮らしの延長にありながら安心感のある居住環境をつくっている。この地の誰もが親しんできた美しい山並みを背景に望む静かな個室と、人や街とつながる共有スペースからなる細長い平面計画は、ユニットケアの本質である個別ケアの実現を担っている。
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